「月にひっかかった涙」

夜にうかぶ細い月に
私の涙がネックレスになって
ひっかかっている

いつ、ネックレスなぞに
なっただろう
昨日の涙は
たくさんあったから
長い長いネックレスになって
風をうけて
ゆらゆらしている

それにしても
月明かりを浴びて
キラキラしてきれいだ
哀しい涙だったのに

こうやって
見上げる人の中に
もし泣いている人がいたなら
ネックレスに涙つなげよう
一緒に月にひっかけておこう

次の新しい月が出る頃には
ほほえんで見上げられるように
今は、泣いておいて


© Mari Awaya 2014
「夢ぽけっと2014春号」より
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「胃カメラを飲んだ」

わたしの胃は
きれいだった
つるんとして

この激痛のかけらも
見つからなかった

不思議なもんだ
人のからだって
皮肉なもんだ
またストレスだって
言われちゃって

ストレスってのは
ほんとうに
あなどれない子だな
目立つわけでもないのに
確実に
じわじわと
わたしのからだに
サインをおくって
「私に気づいて」
って言う

(c) Mari Awaya 2012
私家版「わたし、ぐるり」より

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「からまった一日」

こんがらがった
からまった
イヤホンを
ネックレスを
靴ひもを
夜にゆっくり
ほどく
ほどけなくて
投げつけたくなるときも
あるけれど

だんだん
いちにちのあれこれも
ほどけていく


(c) Mari Awaya 2012
私家版「わたし、ぐるり」より

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「すのこ」

保育園に
まだ姉も一緒に通っていたある朝
姉は自分のお部屋に行ってしまって
さびしくて
わたしはひとり
お外の靴箱のところの
すのこの上に座って

おねい〜
と泣いていた

わたしの中の
ちいさなわたしが
今でも
すのこの上に座って
だれかを
呼んでいる

(c)mari awaya 2009
私家版「あの星から見える、うちの明かり」より

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「雨」

夜中
眠ろうとするとき
次の日に
出かける予定のないとき
雨が
ポツ ポタ ポツリ
と降ってくると
安心する

雨の中
わたしは布団の中で
そこは
やわらかに守られていて
安全だ



昼間
家で何もしていなくて
雨が
ザア ザア サー
と降っていると
不安になる

雨の中
わたしはひとり
ここに
取り残されているようで
迎えに来てほしくなる
じぶんの家なのに

(c) Mari Awaya 2010
私家版「あの星から見える、うちの明かり」より
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詩人。物語も書いてます。
東京を中心に活動しています。詩集に「ぼくはぼっちです」、アンソロジーの詩集にも多数詩が載る。Twitter→@AwayaMari
Instagram→awa_mari39

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