「ある日」

まだまだ先のことかと思っていた
それは光って
忽然と現れたかのように思えた
こんなところに
まさか
いつも見ていたはずなのに
 
しかも二本も
それはけれどやはり
綺麗に輝いている
切って手にとると
不思議だ
見えなくなったかのように思える
 
透明のようで
黒々とした髪の毛に中にあると
すざまじい存在感を放つ
わたしの白髪

(c) Mari Awaya 2016
みんなの詩集「夢ぽけっと」2016夏号より
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「もうひとつの世界」

駅にある
パン屋の隣の
そのカフェは
突き当たりの壁一面が
鏡になっている
空間を広く見せるため
なのかもしれない
 
そのカフェにいると
鏡の向こうには
もうひとつの
違う世界があって
よいしょ
と入っていけば
向こうの世界に
入れそうな心持ちになる
 
向こうの世界のパン屋で
パンを買い
駅からバスに乗って
家に着くと
そこには
誰が待っているのだろうか


(c) Mari Awaya 
「秋美」vol.28より
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「不安雲」

不安の中にいるとき
濃い霧の中を歩いているようで
こわい
この先に
本当は何があるのか
分からなくてこわい
 
けれど
この先に限って言えば
見えないのは当然なのかもしれない
未来は瞬時にかたちを変えていく
誰も未来を
知ることは出来ない
 
だから
見えなくてこわいと言うより
見えない何かをあれこれと想像して
創り出したものがこわいのかもしれない
それは本当のことではないのに
おそらく不安が創り出す
偏った虚像であるのに
それによって
入道雲のように
不安はどんどん大きくなる
 
そこで
気がつければいいのだ
その雲は
自分の頭の周りだけに
あるということ
その雲にとらわれなければ
それは離れて空気になる
ということを


(c) Mari Awaya 2016

 
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「遠くの、あこがれ」

夏に
雪の歌がうたいたくなるように
真冬に
暑い日差しを恋しく想うように
はなれているから
その気持ちは大きくなる
 
誰かが
あこがれは近づいてしまったら
あこがれじゃなくなる
と言っていたのを
思い出した


(c) Mari Awaya 
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「迷い」

いいお天気の中
フィレンツェの
地図があってないような路地を
歩いているような
 
どしゃ降りの中
瓦礫の街の
道無き道を
彷徨うような
 
心地よい晴れの中
もう行く場所は決まっている
けれどもう少し
よく知っているこの街を
歩いていたいような
 
迷いの中にいても
あなたは進んでいる
やるか、やめるか
進むか、別の道を行くか
その結論まで
あなたは迷いながら

近づいている


(c) Mari Awaya 2015
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詩人。物語も書いてます。
東京を中心に活動しています。詩集に「ぼくはぼっちです」、アンソロジーの詩集にも多数詩が載る。Twitter→@AwayaMari
Instagram→awa_mari39

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