「貝を焼く姉」

姉は「貝のくに」出身です
場所はどこにあるか分らないけれども
我が家で「貝のくに」出身なのは姉だけで
他は皆違うけれども
ついでに言うなら私は
「しいのくに」出身です
 
姉は「貝のくに」出身だけあって
しょっちゅう貝を焼きます
私が生まれてからずっと
そばにくっついては貝を焼いていました
にっこり笑いながら貝を焼く姉と
ちょっと嫌そうな顔の私
 
だけど姉が貝を焼くのは
楽しい時ばかりではなくて
父が病んでいる時
母が悲しんでいる時
私が苦しい時になおのこと
せっせせっせと貝を焼くのです
 
姉は家族や友人のために
貝を焼くのが好きなのです
貝を焼いて、それが
ぱかっぱかっと開くことが
姉の生き甲斐なのだと思います
 
姉は思うに
「貝のくに」出身者の中でも
優秀な方に入ると思います
それはつまり
貝を焼き過ぎということでもありますが
身近にこんなに優秀な「貝のくに」の人がいることを
最近になって私は
うれしく思えるようになりました
 
それと同時に
いままで焼いてくれた数々の貝のこと
本当にありがたく思います
 
あたたかいおせっかいをいつまでも
私たちの隣と
もうひとり増えた大切な人の隣で
どうか焼きつづけてください


(c) Mari Awaya
*10年ほど前に、愛する姉に送った詩です。
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詩人。物語も書いてます。
東京を中心に活動しています。詩集に「ぼくはぼっちです」、アンソロジーの詩集にも多数詩が載る。Twitter→@AwayaMari
Instagram→awa_mari39

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