「火傷」

久しぶりに火傷をした

水ぶくれになった

指先だったから

かなり痛い

 

何で火傷したのか

それはあの、罪のなさそうな

つややかに光っている

白い炊きたてのご飯だ

それは見るからに

幸福を運んで来そうな見かけでいて

ものすごい熱を発していて

攻撃性があるとも言える

 

私は初心にかえった気持ちになる

見せかけや思い込みで

信じすぎるのは危険なんだと

 

 

(c) Mari Awaya 2017

 

 

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「流れていく」

あんなことも

こんなことも

たいそうなことも

ささいなことも

 

美しいことも

見るのも嫌なものも

愛したものも

憎んだものも

 

人、というちいさな川に

時、というおおきな河に

 

 

(c) Mari Awaya 2017

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「おぼえている」

大切な想い出を

思い出した

シャッターがきられるみたいに

あの場所が見えた

きっとこの香りが

よみがえらせた

 

あの愛に満ちた

陽だまりのような時間

あのひとの中にも

まだ残っているかな

 

10月

 

(c) Mari Awaya (c) Urabe Yuri 2017

 

10月の花は、金木犀。

花言葉は「謙虚」「気高い人」「陶酔」「初恋」「真実」「真実の愛」 です。

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「愛おしい」

こっちを向いて

笑ってみせて

それだけで

元気が出るよ

 

私の中で

かけ算みたいに

愛がどんどん増えていく

限りなく

あたたかく

 

9gatu

 

(c) Mari Awaya 2017

*9月の詩と絵のカレンダーは、さるすべり。

 花言葉は「雄弁」「愛嬌」「不用意」です。

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「抹茶ソフトあんみつ」

全然わかっていなかった

とわたしが言うと

 

何が?

とテルオくん

 

だからね

たとえば人の話を聞いていて

本当に真剣に聞いて

理解しようと思って

わかったと思うの

でも実際同じようなことが

自分におきてみて

はじめて

わかったって思ったの

ああ、わかってなかったんだって

 

テルオくんはクリームあんみつの

ソフトクリームを食べながら聞いている

 

あとね

人のことを

ちょっと会っただけで

ううん、前からの知り合いであっても

なんとなくわかったように思っちゃう

でも本当は

その人のほんのちょっとしか

わかっていないんだって

わかったの

 

わたしの抹茶ソフトあんみつは

汗を流しはじめた

するとテルオくんは

 

僕なんてさ

じぶんのこと

どれくらいわかっているか

それすら わかんないよ

みんなそうなんじゃない

 

わたしはやっと

抹茶ソフトを二口食べる

 

そうかなぁ

と落ち込むわたしに

 

わかっていなかった

ってわかったことがすごいと思うけど

たいていそんなこと気にしないでしょ

まあ、溶けちゃうから食べたら

とテルオくん

 

そうかなあ

そうなのかな

なんか今日はアイスって気分じゃなかった

普通のにしとけばよかったなぁ

とわたしが言うと

 

やった、じゃあ抹茶ちょうだい

とテルオくんはわたしのお皿を

自分の方へ持っていった

 

あれ、抹茶嫌いじゃないの?

と聞くと

 

そんなことないよ

あ、ほらね

きみはまだ僕のことを

わかっていない

にしし、と笑った

 

(c) Mari Awaya 

私家版「テルオくんとわたし」より

*ちょっとなつかしい詩をupしました。

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詩人。物語も書いてます。
東京を中心に活動しています。詩集に「ぼくはぼっちです」、アンソロジーの詩集にも多数詩が載る。Twitter→@AwayaMari
Instagram→awa_mari39

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